Features

学校での学び

真理を愛し、
広い視野で学ぶ
真の学問を目指して

今、本当の教育とは何かが問われています。競争社会は学歴を求め、教育の現場は人格形成と真理探究の機会を見失ってしまいました。このような時代こそ、真の人間教育が求められています。
単なる知識の詰め込みではなく、生徒が自ら問題点を見つけ、解決への道筋を考え、真理を発見する力を大切にしています。本当の学びは人を自由にし、自立を促します。

Curriculum

教育課程

「豊かな知性と確固たる良心を合わせ備えた責任の主体たる独立人の育成」という本校の教育目標を踏まえ、少人数かつ生徒の主体的な学習を後押しする環境・教育課程を設けています。

カリキュラム一覧

Feature

授業の特徴

01

少人数制で学びを深める

少人数制のため、生徒が質問や発表をする機会が多くあります。課題やレポート作成のため、図書室を活用し内容を深める学びを重視しています。

02

生きていくための学び

高校で学ぶ教科はこれから生きていくための基本的教養となります。広い教養の上に立ってこそ、的確な判断力は養われます。

03

科目を自由に選択

選択授業は、2・3 年生の合同授業です。
コース制ではないため、科目選択に幅があり、生徒は個々の力を伸ばし、将来の進路に向けて課題を探ることもできます。

04

教科を超えた学び

2 年生では、人権や環境問題、アジア諸国との関係などのテーマに基づいた学習があります。現代社会が抱えている諸問題に広く目を向け、自分たちが置かれている現実を直視するのです。
3 年生では、「自主研究」を選択することができます。これは自らが設定したテーマについて、計画的に研究を進める科目です。1年間をかけて主体的に調べ、まとめたものを年度末に発表します。

05

特別授業

社会のさまざまな分野で大切な働きをされている方を招き、お話を聴く機会が多くあります。
国内外の厳しい現実の中で、人間がほんとうに尊重される世界を実現しようと尽力しておられる方のお話に、生徒は真剣に耳を傾けます。
このような機会を通して、生徒は世界に目を向けると共に、自分自身の生き方や将来の進路を考えるきっかけを与えられます。

“原発に関する特別授業”
本橋 成一氏
(映画監督 写真家 他)

“原発に関する特別授業”
村上 真平氏
(全国愛農会会長 家族農業プラットフォーム・ジャパン代表 他)

“原発に関する特別授業”
土井 敏邦氏
(フリージャーナリスト 映画監督 他)

“原発に関する特別授業”
木村護郎 クリストフ氏
(言語学者、上智大学教授 他)

“平和の水源を求めて”
中村 哲氏
(ペシャワール会代表 他)

“カネミ油症について”
犬養 光博氏
(日本基督教団協力牧師 他)

“憲法に関する特別授業”
河上 暁弘氏
(広島市立大学広島平和研究所 教授 他)

“平和を作るために”
姜 尚中氏
(政治学者 東京大学名誉教授 他)

“「フィリピンの仲間”と共に」”
木村 訓子氏
(NGO団体チャイルド・ファンド・ジャパン職員)

“戦争文化ではなく、平和文化を”
スティーブン・リーパー氏
(翻訳家 広島平和文化センター理事長 他)

“牛島満と沖縄戦”
牛島 貞満氏
(沖繹戦研究者 教員 他)

“NGOとしての私の歩み、これからの世界、これからの日本”
谷山 博史氏
(NGO団体 日本国際ボランティアセンター事務局長 他)

“『ひとりにしない』という救い~困窮孤立の社会を生きるために~”
奥田 知志氏
(牧師、NPO法人抱樸理事長、公益財団法人共生地域創造財団代表理事 他)

“「性」に関する特別授業”
水谷 潔氏
(小さないのちを守る会 主事 他)

“愛するってどういうこと?『性』に関する基礎知識~”
町田 健一氏
(教育学者 国際基督教大学教授 他)

“LGBTQに関する特別授業”
平良 愛香氏
(牧師 他)

Introduction

各教科の紹介
国語科

自分の人生に必要なものを自らの力で読み解き、自分にしか書けないことを誰にでも伝わるように書き、異なる他者との対話を通して人生にふれる。言葉を通して人間を学ぶその過程は自ずと、自分自身に向き合う旅となります。3年間の言葉の旅を経て、言葉の力によって自分の内と外に平和をもたらす人になってほしいと願っています。

数学科

人は生きる中で答えのない問いに出会います。世界は答えのない問題であふれています。そのような未知の問いに直面した時、考える力が未来を左右します。自分の頭で物事を論理的に考え、自ら考える力を身につけること、これが数学を学ぶ大きな意味です。奥深く美しい数学の世界を通して、考える楽しみをいっしょに味わっていきましょう。

英語科

外国語を学ぶということは、異なる文化・価値観との出会いをもたらす「窓」を増やすことです。その一つである英語の学びを通して、自分と全く異なる他者にも心を開くことのできる人になってほしいと願っています。そのため、広い世界に目を向けた、生き方を考えさせられる読み物を多く取り入れています。なお、それぞれ最適なペースで学べるよう、習熟度別の少人数クラスで学習していきます。

理科

街から離れた本校の周囲には山陰の豊かな自然が息づいています。贅沢な自然環境の中で、本校の理科では毎週実験や観察を行い、自ら考えることを大切にしながら自然現象への科学的な理解を深めていきます。その学びを通して、人間の知識を遥かに超えた自然界の「不思議」に出会い、自然への畏敬の念を育んでほしいと願っています。

地理歴史・公民科

山の上の静かな環境の本校で、これまで過ごしてきた社会を見つめる時、「この社会に対して私には何ができるのだろうか」「この社会にはどんなことが必要とされているのだろうか」という問いかけに出会います。社会科の学びには、その答えの手がかりがあります。学んで知ることにより、社会からの声が必ず聞こえてきます。学びに散りばめられたその声に耳を澄ませば、3年間で学びが自分の人生へとつながっていくでしょう。

Education by the Bible

聖書に基づく人間教育

聖書は本校の教育活動の中心とも言うべきものです。信仰の有無は問いませんが、自らの生き方を深く考える素材として、聖書を真剣に学び、真理を探究する姿勢を生徒に求めています。各学年において、週1 回聖書の授業も行われています。

毎週日曜礼拝が行われ、平日も毎朝に教職員が担当する朝拝、毎夕に全生徒が順番に担当する夕会が行われます。夕会では、各人が聖書・讃美歌を選び、それぞれの思いや意見をまとめた「夕会ノート」を全生徒・教職員を前に読み上げています。これらの礼拝・夕会は全員出席で、一人ひとりの生き方や諸問題を考えながら、共に祈る大切な時間となっています。

Peace Education

平和学習

平和を愛し、

広い視野に立った国際的精神を育てる

本校では、平和を愛し、広い視野に立った国際的精神を育てることを大切にしています。1 年生は広島で被爆証言を聞き、核兵器のない世界を作るにはどうすればよいかを考えます。2 年生では広島県の呉と大久野島に出かけ、加害国としての一面に目を向けます。3年生では沖縄を訪れ、沖縄戦の実態や沖縄が置かれている現実について学びます。また韓国や台湾を訪問する研修旅行も毎年行っています。

広島

原爆投下に至るまでの歴史や原爆の被害の実態、核兵器の危険性について学び、核なき世界のために私たちは何をすべきか考えます。

呉 大久野島

アジアへの侵略の基地となった軍港呉の過去・現在を知り、大久野島での毒ガス製造の実態を学び、加害国としての一面に目を向けます。

沖縄

沖縄戦の惨禍、実態を知るとともに、沖縄の文化・自然および今日に至るまでの歴史を学び、沖縄が置かれている状況について考えます。

韓国

日本が植民地とした韓国と日本との間にある歴史を現地で学び、日本のありかたを考えます。また姉妹港のプルム農業高等技術学校を訪問し、交流を深めます。

台湾

かつて日本の植民地であった台湾の近現代史を現地学習し、台湾原住民の境界を訪問して交流を深めます。

生徒の想い(沖縄平和学習感想文より抜粋)

戦争の悲惨さを知り、今でも問題は終わっていないことに気づき、同時に私たちはこれからの将来を築いていかなくてはならないと思わされました。
私には平和がいったい何なのか分かりません。問題を解決する方法をいつも探していきたいです。

生徒の想い(沖縄平和学習感想文より抜粋)

平和を作るのは僕らです。作れますか?作りましょう。作れます。沖縄で考えたことを自分の宝にしていきたいです。

生徒の想い(広島平和学習感想文より抜粋)

お話の中で心に残っているのは、「苦しみの中で生きるのが人間だ。苦しまない人なんかいない。苦しみの中で人間は大きくなる。苦しみから逃げるな。逃げるとどこまでも追いかけてくる。来るなら来い。受けてやる」という言葉だった。僕はいつも逃げていたいと思っている。あれから逃げたい、これから逃げたい、逃げることしか考えられなくなっていた。そんな中、この言葉は僕と正反対だった。「逃げるな。逃げるとその分苦しくなるぞ。」本当にその通りだと思った。世界中の人々が何に対しても負けないで、そして諦めずに平和を願い、逃げずに考えて立ち向かえば、きっと平和な未来になるだろう。そんな世界になるように、まず僕が負けたら終わりだから、何に対しても負けない心を持ち、諦めずに平和を願い、逃げずに平和や戦争について真剣に考えていきたい。それがみんなに広がれば戦争なんかなくなるだろう。
世界がいつの日にか、平和になりますように。

生徒の想い(台湾平和学習感想文より抜粋)

「平和学習で大切なことは、自分には何ができるか考えること、それを行動に移すこと」という言葉が心に残っている。台湾に行って、今まで知らなかったことを沢山知ることができた。反面、その何倍もの知らなければならないことも増えた。今私がなすべきことは、真実を探すことだと思った。勉強が必要だと思った。何も知らないでは私は何もできない。世界の現実を知って、これから私は傷つき、考え、行動することができる。それが私に与えられた自由だと思う。私は愛真で、真理を求めることに一生懸命になろうと思う。

生徒の想い(韓国平和学習感想文より抜粋)

人間は、罪多き生き物だ。罪は償わなければならない。私達学生は学んだ上で、何か一歩を踏み出さなければならない。それが例え「気づく」という小さなことだったとしても、きっと何かにつながると思う。

キリスト教愛真高等学校 職員 正田 満

平和学習(教職員の想い)

本校では、平和学習を全人教育の中で重要な要素と位置づけています。 「他者は共に生きる大切な存在だ」という考え方に基づき、時代や地域を超えて「他者とのつながり」を学びます。 「他者とのつながり」を持つことは、他者の悲しみや苦しみに共感することを意味します。そのため、愛真高校では実際に現地を訪れ、他者の感情や経験を自分のものとして受け入れることを大切にしています。この考え方が平和教育の基盤になります。 広島、呉・大久野島、沖縄、そして韓国・台湾などを実際に訪れ、「問いかける」「発見する」「感じる」「心に突き刺さる」という学びを実践しています。

また、本校の平和学習では、権力を持たない立場の視点を大事にしています。イエス・キリストのように、弱い人を大切にする姿勢を模範とし、異なる思想や信条を尊重しながらも、社会の問題に向き合う姿勢を養います。 その中で、力を持たない立場からの声に耳を傾けます。 このような声は、実際にその場に立ち会わなければ聞くことができません。

平和学習を通して、人間が引き起こしてきた「他者とのかかわり」を断ち切るような人間の深い罪を学びます。そして、その回復や平和の実現に向けて、どのような取り組みが必要かを問いかけられます。

キリスト教愛真高等学校 職員 正田 満

Work

作業(労働)

労働は本校の重要な教育活動です。自分から率先して働き、汗を流すことは喜びであると体験的に学びます。「自分たちの生活は自分たちの手で整える」ことを基本に、毎日の食事作りからトイレの汲み取りまで行います。人間が生きるためにはどのような働きが必要かを毎日の生活を通して学ぶのです。

カリキュラムに組み込まれた
週2回の「作業」は、

園芸・菜園・修繕・水田山林・
製パン・保存食品・養鶏・
リサイクルの8つの作業班に
分かれ、活動します。

朝・昼・夕の食事をすべて自分たちで調理しています。週一回ほど当番が回ってきて、縦割りのチームで協力して全員分の食事を作ります。食材の一部は水田山林班、菜園班、養鶏班、製パン班から供給され、食器洗いにはリサイクル班が作る石けんを使っています。

種を蒔き球根を植えるところから花を育て、校舎の周りに彩りをもたらしています。四季折々の花が咲く花壇は皆の憩いの場となっています。イチゴやブルーベリーの栽培、低木の剪定もしています。

種蒔き・育苗から野菜を育てています。収穫した野菜は日々の調理で食材となり、厨房から出る生ごみで堆肥を作って畑で活用しています。

壊れた網戸や農機具の修理、ウッドデッキのペンキ塗り、新しい看板の製作など、必要に応じて学校の備品や設備の「製作」「修理」「維持」「解体」をしています。

地方の方の水田をお借りし、無農薬で稲を育てています。稲刈り後の冬場は周辺の山林を整備し、自然との共生関係を目指した里山作りに励んでいます。

手作りした石窯で食パンを焼き、朝食に提供しています。生地をこねて発酵させ、成形し、薪で火を起こして焼き上げています。菜園班が育てた野菜やハーブを使った菓子パンやピザも作ります。

梅や夏みかんなど敷地内で採れる果物からのジャム作り、梅干し・味噌などの加工品作りをしています。健康的で安全な食品を毎日の食卓に提供しています。

鶏をひよこから飼育しています。朝夕のエサやり・採卵だけでなく、大切に育てた鶏の屠殺も行い、命の大切さを学びます。

厨房から出る廃油を使った石けん作り、牛乳パックを原料にした紙すき、レターセット作りなどを通して、校内のゴミを減らし、リサイクルする活動に取り組んでいます。

Cooking

調理

職員による指導のもと、毎日の食事はすべて当番の生徒が作ります。他に配膳・弁当詰め・食器洗いなどの当番も生徒が担当しています。
食材の一部は、菜園班・養鶏班・製パン班・保存食品班から供給されます。また生徒たちが自ら田植え・除草・稲刈りを行ったお米も食卓にのぼります。自分たちで作ったものを自分たちで調理し、食べることを通して、私たちが命によって生かされていることを知ります。

Chorus

合唱

毎日の礼拝で歌われる讃美歌は生徒や職員にとって祈りであり、感謝であり、励ましです。
礼拝や音楽の授業だけでなく、校内には生徒の歌声が溢れています。歌い継がれたハーモニーを共通財産として、皆で歌い合えることは大きな喜びです。

Artistic Activities

芸術活動

各学年の音楽の授業、毎日の礼拝で歌う讃美歌、各教室からのピアノの音、どこからともなく聞こえてくる生徒の歌声など、本校の日常は音楽に溢れています。隔週で行われる全校活動では、美術、ハンドベル、陶芸、ナチュラルクラフトなどから興味のあるものを選択することができます。
電子楽器やアンプなど機械を通さない生の音を奏でること、仲間と協調して一つの作品を作り上げること、あるいはひとり心を静めて製作に取り組み、作品を通して個性を表現すること、そうした感性の養いの場が、ここにはあります。

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