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キリスト教愛真高等学校

(少人数・全寮制・普通科)

Tel:0855-52-5795

本校について

卒業生の声

Title:望月 薫(2期生 / 1992年 卒業)

陶芸家 / 岐阜県在住 / 東京都出身

陶芸家としてひとり立ちしてまだ13年目。2年前に湘南大磯から岐阜にある美濃焼の地、多治見に移り住み制作活動を続けている。全国のギャラリーや百貨店での個展とか企画展といわれる展示即売会への出品が主な仕事で、その他うつわや陶作品の受注制作と、個人や美術館・福祉施設でのワークショップや陶芸指導などがあったりなかったり。愛真高校での何かが直接今の自分の仕事につなっがているかどうかはわからないが、モノづくりという観点から言うと10代半ばの3年間に自分にとって大きな体験の蓄積があったことは確かだ。

道なき山に入り道をつくる。畑を耕し肥えをくみ土をつくり種をまき作物をつくる。窯を築き生地をこね、火をおこしパンを焼く。テレビもラジオも使用できないからギター片手に歌をつくって唄った。もちろん陶芸も土づくりからひと通り体験している。

ひとりではできないことも多く、手間暇がかかり効率とは無縁な環境で、買った方が安くて便利だろうモノまで手作りしていた。農業の専門知識やロハスとかいうそれではなく、生活の一部としての知恵と工夫と自分たちでつくれるかもしれないという好奇心が原動力であり、その多くのつくる行為には高校生なりの環境への配慮や命への敬意があったように思う。

それらは間違いなく愛真高校の思想や教育方針に基づくカリキュラムと課外授業で得た知識と体験からくるもので、意図的に情報と利便性から距離をおいた自然の中で生活し、本来ひとが生きるうえで必要なモノづくりを無作為に体験し学んだ日々は、生産者として生きたいという結論に行き着いた僕の価値観の基礎となり、たくさんの選択を強いられる現代社会での指針となっている。

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